10月 梵字川・立谷沢川の秋を訪ねて


弘法大師ゆかりの名所を巡る

秋の梵字川渓谷巡り。


15月山ダム周辺和尚峠より★DSC04543.JPG

201810月某日

 記録的な暑さとなった2018年。とはいえ、猛暑の年は紅葉が当たり年という説もある。10月も半ばを過ぎ、ようやく冷え込んできた気温に期待をふくらませ、その真偽を確かめに行くことにした。向かうは以前、訪れた「道の駅月山」(月山あさひ博物村)(詳細はこちらのブログを参照)の梵字川付近。ここは深い山並みが続く東北屈指の紅葉スポットだ。例年であれば、そろそろ見頃の時期だろう。


03梵字川渓谷米の粉の滝★DSC04521.JPG01梵字川渓谷米の粉の滝★DSC02734.JPG04梵字川渓谷なびら雪吊橋★DSC04601.JPG

05梵字川渓谷なびら雪吊橋からs★DSC02749.jpg09梵字川渓谷ふれあい橋から★DSC04625.JPG12梵字川渓谷亀の滝撮る夫婦s★DSC04663.jpg11梵字川渓谷ふれあい橋から亀の滝s★DSC04652.jpg

16月山ダム周辺和尚峠よりs★DSC04539.jpg17月山ダムあさひ月山湖大橋を望むs★DSC02743.jpg19月山ダム周辺アカクラ・アオクラs★DSC04568.jpg


 湯殿山I.Cから国道112号を北上してまもなく、最初に立ち寄ったのは道の駅の手前にある「米の粉の滝ドライブイン」。駐車場に車を停め、渓谷にかかる対岸の落差約25mの直瀑「米の粉の滝」を眺める。米の粉という少々な風変わり名は、流れ落ちる水の姿が米の粉に似ていたことにちなむらしい。とはいえ、どちらかと言えばその姿は白糸といった風情だ。ここの見どころは何と言っても、頭上にそびえる自動車道の高架橋と周囲の山並みの異色の組み合わせだろう。

 そこから道の駅へと続く展望遊歩道沿いの途中には「なびら雪吊り橋」がある。冬期間、雪の荷重による枝折れを防ぐ雪吊りと同じ形状のこの橋は、梵字川渓谷を真下に望む景勝地。目的の道の駅はその先にある「ワイン蔵」の横を通り抜け、道路を挟んだ向こう側にある。以前も訪れた「ふれあい橋」(詳しくはこちらのブログを参照)からは眼下に、亀の甲羅を清流が流れ落ちるような景色から名付けられた三段曲流の「亀の滝」が望める。先の滝といい、先人の豊かな想像力にはほとほと感心してしまう(笑)。

 橋は鉄製の堅牢な造りとはいえ、吊橋ならではの揺れが楽しめる。まるで目眩を起こしているかのような、ぐらりぐらりとしたその振動に表情を強ばらせる連れを横目に眼下の景色にレンズを向ければ、暖冬のせいだろうか、残念ながら紅葉はまだピークにはまだ至っていないようだ(見頃は10月下旬頃?)。

 そこから少し足を伸ばし「米の粉の滝ドライブイン」の向かいにある「猿子渡り橋」を南へと進む。雄大な「あさひ月山湖」の車窓が楽しめる約30分のこのドライブコースには「あさひ月山湖大橋」や「和尚峠」をはじめ、月山湖随一の景勝地と呼ばれる「アカクラ・アオクラ」といった景勝地が続き、月山が誇る広大な広葉樹林帯の眺望が広がっている。ちなみに道は「弘法物見の岩」あたりまでしかない。ここからはもと来た道を引き返すことになる。梵字川渓谷同様に、こちらの紅葉も残念ながら最高潮には至っていないものの、迫力ある絶景は秋なら尚更見逃せない場所だろう。


23いさごやs★DSC02845.jpg25いさごや前夕日s★DSC02825.jpg27いさごや前夕日s★DSC04794.jpg26いさごや前夕日s★DSC04786.jpg

28いさごや夕食s★DSC02855.jpg31いさごや夕食s★DSC02894.jpg32いさごや夕食s★DSC02914.jpg33いさごや夕食s★DSC02924.jpg34いさごや夕食芋煮食比べs★DSC02949.jpg

36いさごや月水湯s★DSC04872.jpg37いさごや吟水湯s★DSC03113.jpg38いさごや吟水湯s★DSC03045.jpg

38いさごや吟水湯s★DSC03045.jpg39いさごや吟水湯s★DSC04960.jpg40いさごや朝食s★DSC03004.jpg41いさごや朝食ぶどうぜりーs★DSC03013.jpg42いさごやs★DSC04975.jpg


名残の秋に想いを寄せる

湯宿の静けさと豊穣の彩り膳。


 少し寄り道をしたせいか、いさごやに到着したのは予定より遅い日暮れ時。なんとか夕陽の時刻には間に合った(!)。部屋に落ち着くまもなく早速、連れと落陽の白浜へ。遠く目を馳せれば、唱歌のような茜色の海の向こうにうっすらと雪化粧した鳥海山の姿も見える。ぽとん、と音を立てて水平線に落ちる線香花火の灯火のような夕陽を見送った後、一気に垂れこめてきた冷たい夜気に、上着の襟をたて足早に宿へと戻る。嗚呼、もう冬が近いのだ。

 秋鮭、秋刀魚、ソイに寒鰤。庄内柿、山葡萄、あけび。海に山にあふれる庄内の秋の幸が迎える食膳は、その彩りもあしらいも迷い箸の嬉しさ(笑)。人気の客前焼きでは、プリプリとした鮑の香ばしい炭の香りに食指をそそられる。今宵の真打「庄内さわらの幽庵杉板焼」は舞茸と銀杏、松葉に紅葉が添えられた、今日の景色を思い起こさせる吹き寄せ風。中でも愉快だった「山形名物芋煮汁食べ比べ」は、醤油ベースに牛肉と舞茸の入った内陸風と、白味噌ベースに豚と野菜の庄内風が楽しめる乙な趣向。宿のすすめでオーダーした酒処、大山(詳しくはこちらのブログを参照)の特別純米酒「十水とみず」もキレのよい辛口で、今夜の料理によく合う。バイプレーヤー不在の料理の数々は、さすがのひとこと。景色に人に、山海の幸に。満腹の腹を抱えて向かった「月水の湯」で、濃密この上ない秋の豊かさをかみしめる。

 翌朝は「吟水湯」に一番乗りし、朝の独り占め風呂を堪能。すっかり定番となった酒田港のイカ刺しからデザートのぶどうゼリーまで、美味い朝食を得て今日の目的地「立谷沢川渓谷」をフロントの方に伺えば「なかなかレアですねぇ。」の反応。そのやりとりに、はやる心を鎮めつつ、予定通り宿を出発。


44立谷沢川瀬場砂防堰堤s★DSC04996.jpg45立谷沢川瀬場砂防堰堤s★DSC05013.jpg49立谷沢川南部山村広場辺りからs★DSC05121.jpg

52立谷沢川六渕砂防堰堤s★DSC05067.jpg50立谷沢川六渕砂防堰堤s★DSC05091.jpg53立谷沢川月の沢渓谷入口辺りs★DSC04977.jpg

55立谷沢川月の沢渓谷×s★DSC03210.jpg56立谷沢川辺り鶴巻池s★DSC03170.jpg60立谷沢川辺り鶴巻池s★DSC05052.jpg


自然と響きあう力強い造形美。

昭和の名建造物、砂防堰堤。


 いさごやから国道47号線を経由し、羽黒山脇を抜け突き当たった立谷沢川を南進すること約80分。向かったのは、流域に点在する「砂防堰堤」群のひとつ「瀬場砂防堰堤」。その姿を目にした途端、思わず感嘆がもれる。堤長193m、堤高6m。色づいた周囲の山並みを震わすような轟音をたてながら、3段の堰堤を凄まじい量の水が流れ落ちている。

 最上川水系の支流である「立谷沢川」は、100を超える月山の沢水を集めて流れる清流で、豊富な水量と恵まれた水質は環境省の「平成の名水百選」に選定されている。川のある地域は月山の噴火による火山砕屑物からなる地質で地盤がもろく、歴史的にたびたび地すべりを起こし、庄内平野の洪水氾濫の原因となってきたという。そのため、流域には大規模な砂防ダムが幾つも整備された。深い山間に忽然と現れる巨大人工物は周囲の山並みとのコントラストが美しく、この辺りの観光スポットになっている。

 近くの河原沿いには、キャンプや芋煮会等のアウトドアが楽しめる「南部山村広場」もあり、ここからは、遠くに月山の姿を望みながら大スケールの堰堤の滝と立谷沢川が織り成すダイナミックが景色が楽しめる。

 そこから車で数分。続いて訪れた「六渕砂防堰堤」は堤長157m、堤高は先の堰堤を上回る15mの堂々たる佇まい。近年、こういった巨大建造物を巡るマニアが増えていると聞くが、その迫力を目の当たりにすればなるほど、合点がいく。立谷沢川の中流域に昭和20年代に施工されたこの両堰堤は、機能と造形美を併せ持つ建造物として国の有形文化財にも指定されている。周囲には、あばれ川として恐れられてきた立谷沢川の災害を鎮める龍神信仰の供養塔も数多く見え、地域の歴史を物語る。ちなみに、この堰堤の先には紅葉の名所の「月の沢渓谷」もあるが、訪れた際はちょうど工事のため立ち入り禁止となっていた(掲載写真は過去のもの)。

 程近くには月山登山や山スキーの拠点として利用される公共の温泉宿「月の沢温泉北月山荘」もあり、地元の主婦たちが運営する食事処「やまぶどう」でいただける季節折々の山の幸はなかなか評判だ。そこから山道を15分程登ったキャンプ場の一角には、神秘的なロケーションから映画の撮影地にもなった「鶴巻池」が静かな水鏡をたたえていた。

 池は一周約30分程度と、散策にも手頃だ。鏡のように静まりかえった水面に迫り出したウッドデッキが奏でる静謐な佇まいは、海外のリゾートを思わせる非日常空間(笑)。緑の息吹に包まれる春も美しい場所だろう(今年の紅葉の見ごろは10月末頃)。


63いろはsDSC04059.jpg61いろはDSC04049.JPG64大山上池★DSC03219.JPG

65大山上池s★DSC05209.jpg68大山上池s★DSC05225.jpg67大山上池s★DSC05202.jpg71大山下池s★DSC04697.jpg

69大山下池s★DSC02787.jpg70大山下池s★DSC04715.jpg72大山公園展望台s★DSC04755.jpg


飛来する渡り鳥たちの聖域に

美しき冬の使者を訪ねて。


 山をあとに昼時の腹ごしらえに向かったのは、大山街道沿いにある「いろは食堂」。地元はもとより、ラーメン好きでここを知らない者はもぐりだろう。地域の名店とあって、平日もさすがの盛況ぶりだ。週末はこの混雑が店の外まで続くのだという。運良くほぼ並ばずに席を確保し早速、名物の中華そば(630円)を注文。魚介の優しくあっさりとした風味のスープにちぢれ細麺のシンプルな味わいは飽きのこない旨さ。店にはこの他にも評判の野菜中華(750円)や蕎麦、麦きり(庄内地方に伝わる細打うどん)等もあるが、地元ファンも多いこの味をぜひ一度はご賞味いただきたい(笑)。

 そこから最後の目的地大山の「上池」と「下池」までは車で5分程度。江戸時代、治山治水の水害対策と農業用貯水池として築造された2つの池は現在もその役割を果たし、安らかな水辺の景観は夏にはハスの名所として人々の目を楽しませている(写真は夏の上池)。冬には渡り鳥の飛来地としても知られ、2008(平成20)年には周囲の湿地を含めこの辺り一帯が「ラムサール条約」に登録されている。

 ちなみに、池から湯野浜までは車で10分程と至近。再びここに戻ってきた理由は初冬を告げる使者、ハクチョウの姿を楽しむためだ。情報によれば、彼らが池に戻ってくるのは夕方頃。紅に染まり始めた空を仰ぎ、「上池」で凍える手をこすりながら今か今かとその時を待ち構える。

 やがて一羽、二羽。そしてそれを皮切りに、空の彼方から続々とハクチョウたちが現れた。五色に染められた山並みを背景に、ふわりと音もなく水面に降り立つその姿は心洗われる清廉さ(今年の紅葉の見頃は11月初旬頃)。その優姿に見惚れ、さらなるスケールで鑑賞しようと、ひとまわり大きい隣の「下池」へ移動。周囲を散策できる遊歩道も整備された「下池」にはコハクチョウやガン、カモ類など200種にも及ぶ池の野鳥たちを観察できる観察小屋「おうら愛鳥館」も設置されている。大きな期待を胸に辺りを探してはみたものの、あいにく今日の「下池」にハクチョウの姿は確認できず(残念!)。とはいえ夕映えに包まれ、鳥たちが水面にたてる小波がキラキラと輝く光景は、思わず見惚れる美しさだ。その姿をしばし堪能し、そのまま高台の「大山公園」へと向かい、この旅2度目の夕陽を見送る。すぐ周囲に広がる人家にあらためて、こんなにも人の暮らしのそばに豊かな環境を持つ自然があることに驚きつつ、今では希少となってしまった鳥たちのサンクチュアリに想いを馳せる。

 暖冬も手伝い最高潮の彩りには少し早い紅葉狩りだったが、それでも山々が見せてくれた景色は、胸に染み渡る無二の錦絵だった。晩秋の陽射しは、この季節だけの独特の静けさと儚さに充ち、思い出の名残のようなノスタルジーが漂う。時を封じ込めたかのようなその叙情は、秋という季節がくれる、もうひとつの時間旅行かもしれない。



【梵字川・立谷沢川の秋を訪ねて 詳細】

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■梵字川渓谷
朝日山系の北寒江山を源とし、月山から流れる田麦川を合わせた全長約38kmの一級河川、梵字川に広がる渓谷。川の名前は弘法大師がこの流れの中に、金色の梵字が書かれたフキの葉をみつけ、導かれるようにして湯殿山へと辿りつき開山した伝説に由来したもの。新緑と紅葉の名所。
住所/鶴岡市上名川
TEL/0235-53-2111(鶴岡市朝日庁舎産業課)
※展望地点/国道112号沿線
※観光時期/5月~11月
※新緑の見頃/例年5月上旬~下旬
※紅葉の見頃/例年10月中旬~11月上旬
14梵字川渓谷猿子渡り橋望む★DSC04680.JPG07梵字川渓谷ふれあい橋★DSC04639.JPG06梵字川渓谷なびら雪吊橋から★DSC04614.JPG09梵字川渓谷ふれあい橋から★DSC04625.JPG
↓展望遊歩道パンフレットはこちら
梵字川渓谷遊歩道map.jpg

■米の粉の滝ドライブイン
梵字川渓谷に沿って走る国道112号線沿いにある、食事もできる土産処。
住所/山形県鶴岡市上名川字東山11-1
TEL/0235-54-6311
営業時間/9:00~17:00
定休日/無休
駐車場/有
http://www.komenokonotaki.com/

・米の粉の滝
落差約25m。梵字川へ直下に落ちる滝で「米の粉の滝ドライブイン」の駐車場から眺めることが出来る。名前は落下する水が米の粉のように見えることに由来。梵字川渓谷の絶景のひとつ。
01梵字川渓谷米の粉の滝★DSC02734.JPG03梵字川渓谷米の粉の滝★DSC04521.JPG

・なびら雪吊り橋
「米の粉の滝ドライブイン」から歩いて約5分の場所にある梵字川渓谷にかかる橋。ここからは道の駅へと続く全長約800mの展望遊歩道が続く(徒歩約30分)。梵字川の名前にちなみ、フキの葉形の紙に願い事を書き、この橋から見えるハート型の岩に向かって願いを込めて投げ入れ、見事に岩の上へ乗ったら願いごとが叶う“フキまじない”が人気。
04梵字川渓谷なびら雪吊橋★DSC04601.JPG

■道の駅 月山(月山あさひ博物村)
山形と鶴岡を結ぶ国道112号と梵字川渓谷の間にある道の駅。敷地内には長さ約72m、高さ35mの吊橋「ふれあい橋」の他、地域の歴史と文化を紹介する「文化創造館」や、特産の山ぶどうを原料にした月山ワインやジュースなどを製造工程を見学しながら試飲・試食できる「山ぶどう研究所」、旧国道のトンネルを利用したワイン蔵「トンネルピット」を併設。「米の粉の滝ドライブイン」から約700m(徒歩約10分)。
住所/山形県鶴岡市越中山字名平3-1(国道112号線沿い)
TEL/0235-53-3411
営業時間/9:00~17:00
定休日/12~3月の第4月曜・年末年始
駐車場/有
http://www.gassanasahi-hakubutsumura.co.jp/

・亀の滝
落差は約30m。道の駅のそばにある「ふれあい橋」から眺めることが出来る3段曲流の滝。
10梵字川渓谷亀の滝★DSC04656.JPG11梵字川渓谷ふれあい橋から亀の滝★DSC04652.JPG

■月山ダム
山形県の庄内平野を流れる一級河川赤川の右支川梵字川(鶴岡市朝日地区内)に建設され、治水と利水を併せ持つ多目的ダム。出羽山地の残雪を溶かしたダム湖「あさひ月山湖」は水量が豊富で、紅葉や新緑の美しさでも知られている。周辺は花見のできる多目的広場や湖を一望できる展望広場など、水辺と親しむ憩いの場となっている。
月山ダムの管理所の1・2階には、赤川に住む魚の展示や、模型等による月山ダムを紹介するインフォメーションホールの他、ダム湖を展望できる展望デッキもある。
住所/山形県鶴岡市上名川東山8-112
TEL/0235-54-6711(ダム管理所)
開館時間/9:00~16:30
休館日/冬期間(12~3月)の土日・祝祭日・年末年始
17月山ダムあさひ月山湖大橋を望む★DSC02743.JPG
↓月山ダム全景図
★月山あさひダムmap.jpg

・和尚峠
湯殿山とともに栄えた仏沢万宝院という名の寺があった場所に由来する峠。
15月山ダム周辺和尚峠より★DSC04543.JPG

・あさひ月山湖大橋
月山ダム湖の中央に架かる大橋。橋の途中からは、全国でも珍しくT字形の橋
「弘法物見橋」とダム湖の空中で接続している。

・アカクラ・アオクラ
ダムを通り過ぎトンネルを越えたあさひ月山湖の対岸に現れる景勝地。切り立った岩肌の向かって右側が青(岩肌)左側が赤という独特の佇まいは、紅葉の名所のひとつ。
19月山ダム周辺アカクラ・アオクラ★DSC04568.JPG

・弘法物見の岩
湯殿川と梵字川が合流するところにある高さ約6m、幅約10mの巨岩。道に迷った弘法大師がこの岩に上って祈りをささげ、左の川から流れて来る梵字を見つけ、大日如来の霊場である湯殿山に辿り着くことができたという伝説がある。岩はダムの水位が高い時期には見えないが、水位が低い夏場などには見ることができる。


■立谷沢川 たちやざわがわ
出羽の山あいを豊富な湧水を集めながら北流して最上川に合流する全国有数の清流。「平成の名水百選」のひとつ。
立谷沢川は歴史的に砂金が採れることでも知られ、江戸時代に「瀬場」という庄内藩直轄の砂金掘り場があった。 (「瀬場」の名は集落名として現存)周囲は明治時代後期から昭和初期に広く栽培されたイネ品種「亀ノ尾」の発祥地。
↓流域マップはこちら
★立谷沢川流域観光map.jpg

・瀬場砂防堰堤 せばさぼうえんてい
堤長193m、堤高6m。
最上川水系の立谷沢川に築かれた砂防堰堤。粗石コンクリート造で、副堰堤と水叩き二段を備え四段の滝のような雄大な景観が見事。1953(昭和28)年竣工。六渕砂防堰堤とともに、現在では珍しくなっ
た技術及び美しい造形で施工された砂防堰堤として、国の登録有形文化財に登録。
住所/山形県東田川郡庄内町立谷沢地内
TEL/0235-56-3312(社会教育課文化スポーツ推進係)
44立谷沢川瀬場砂防堰堤★DSC04996.JPG45立谷沢川瀬場砂防堰堤★DSC05013.JPG

・六渕砂防堰堤 ろくぶちさぼうえんてい
堤長157m、堤高15m。瀬場堰堤上流に位置し、最上川水系の立谷沢川本流で最大の貯砂量をもつ粗石コンクリート造堰堤。1952(昭和27)年竣工。堤体前面に玉石を張り、上部に割石を亀甲積した帯を表し、さらに水通し部両端の袖壁との段差部を曲線として仕上げるなど意匠的にも見応えがある。国の登録有形文化財。
住所/山形県東田川郡庄内町立谷沢地内
TEL/0235-56-3312(社会教育課文化スポーツ推進係)
52立谷沢川六渕砂防堰堤★DSC05067.JPG51立谷沢川六渕砂防堰堤★DSC03189.JPG

・南部山村広場
立谷沢の雄大な自然の中で、キャンプ・芋煮会などのアウトドアを満喫できる広場。
住所/山形県東田川郡庄内町立谷沢地内
TEL/0234-56-2213(立川地域観光振興係)
46立谷沢川南部山村広場★DSC05131.JPG48立谷沢川南部山村広場辺りから★DSC05125.JPG

・月の沢温泉北月山荘
月山北側の麓にある公共の温泉宿。月山登山、山スキーの基地として利用する客も多い。敷地内には地元の主婦が運営するお食事処「やまぶどう」
もある。
住所/山形県東田川郡庄内町立谷沢西山1-67
TEL/0234-59-2137
定休日/[11~4月]:火曜・水曜
    [5~10月]:第二火曜
    [年末年始]:12/31~1/3
駐車場/有
※日帰り入浴は10時30分~18時(冬期~17時)/350円(火曜定休)
    
  ◎お食事処「やまぶとう」
   営業時間/11時30分~14時
   定休日/ [11~4月]:火曜・水曜
        [5~10月]:火曜
        [年末年始]:12/31~1/3    
https://kitagassanso.navishonai.jp/

・鶴巻池
月の沢温泉北月山荘周辺、北月山キャンプ場の敷地内にある農業用ため池。周辺の紅葉が水面鏡のように映し出されるさまは絶好の写真撮影スポット。
住所/東田川郡庄内町立谷沢字西山1-67
TEL/0234-59-2137 (月の沢温泉北月山荘)
駐車場/有
57立谷沢川辺り鶴巻池★DSC03164.JPG56立谷沢川辺り鶴巻池★DSC03170.JPG

■いろは食堂
鶴岡駅から西進、大山方面に向かう国道112号線(大山街道)沿いにある、地域に根付いた昔ながらの大衆食堂。ラーメンの名店として知られる。魚介類を使い仕上げられたスープと歯応えのある細麺は、食べ飽きないシンプルさで評判。
住所/山形県鶴岡市友江町20-25
TEL/0235-33-2351
営業時間/11:00~18:30
定休日/木曜(祝日の場合翌日)
駐車場/有
61いろはDSC04049.JPG62いろはDSC04057.JPG

■上池・下池
約400年前から治山治水の水害対策と農業用貯水池として築造された池(上池/約15ha・下池/約24ha)。年間を通し2万羽を超える渡り鳥が飛来し、渡り鳥に重要な湿地であることから2008(平成20)年に「ラムサール条約」に登録。池のある大山地区は、藩政時代は天領として栄え、両池の後背地にある高館山・八森山の自然林は伐採が禁じられ、結果的に水源保全の役割を果たしてきた。上池は夏になると湖面一面がハスで覆われ、ハスの花の観賞に訪れる人々で賑わいを見せる 。
住所/山形県鶴岡市大山
TEL/0235-33-3215(大山観光協会)
駐車場/有
http://ooyama-kankou.jp/kamiike-simoike.html
64大山上池★DSC03219.JPG66大山上池★DSC05213.JPG68大山上池★DSC05225.JPG
70大山下池★DSC04715.JPG71大山下池★DSC04697.JPG69大山下池★DSC02787.JPG
↓パンフレットはこちら
★大山下池上池map.jpg

・大山公園
昭和初期、地元大山の酒造家、加藤嘉八郎有邦が莫大な私財を投じ整備した公園。園内には二ヶ所の展望台、八か所の碑(尾浦八景)があり、それぞれの眺望が楽しめる。春は桜の名所として知られている。
住所/山形県鶴岡市大山
TEL/0235-33-3215(大山観光協会)
駐車場/有
http://ooyama-kankou.jp/ooyamakoen.html
72大山公園展望台★DSC04755.JPG73大山公園展望台より★DSC02795.JPG